ECは売上を構成する要素が膨大かつ複雑で、売上を伸ばすためには多くのステークホルダーが必要になります。例えば、広告代理店、SNSコンサル、CRMコンサル等の特定領域の専門家や、接客ツールベンダー、決済ベンダー等プロダクトベンダーなどが挙げられます。
我々が支援してきたクライアントにもそれらのステークホルダーがいましたが、第三者的に打ち合わせや提案資料を拝見すると、それらのプレーヤーからの提案やフォーカスする課題は、彼ら自身のバイアスがかかるような内容が多いことが印象的でした。例えば、広告代理店の方は広告予算を引き上げるために短期的にCACが引き上がりそうな提案、SNSのコンサルの方はフォロワー数を増やすための提案、システムベンダー
は自社のツールをベースとした改善提案や自社の他ツールの導入提案によるアップセルを狙うなど。それらは至極当然のことですが、ここで問題なのは、果たして彼らの挙げる課題とそれに対する提案を、適切な判断軸でマーチャント側がジャッジできているか、という点です。
我々はこれまでECシステム構築、CRMグロース、SNSグロース、Web広告、WMS・OMS・Pos選定、データ分析、ブランド構築などEC運営に関連するすべての領域をサポートしてきました。それらの経験から、極めて複雑且つ専門性が高い領域の中でマーチャントが適切な意思決定を下せるよう並走するパートナーでありたいと考えています。
ここ10年ほどでEC市場が盛り上がりをみせ、Shopify、BASE、StoresなどECプラットフォームの台頭はもちろん、EC上で使える接客ツールやCVR改善ツール、ロジスティックシステムも日々目まぐるしくアップデートされています。便利な秘密道具(ツール)はたくさんあるので、大抵のマーチャントの課題は、それらを適切に組み合わせれば解決できることが多いように感じます。ただ、やはり全てのマーチャントが秘密道具と出会い適切かつ十分に使いこなせているかというと、まだまだです。ツールが解決できる課題を課題だと認識できていなかったり、ツールの提供する点的なソリューションは、マーチャントの線的な課題に対しては十分でない、など様々です。
よって我々は、まずマーチャントの課題発見のために伴走し、顕在化した課題を解決するための秘密道具を提案したり、時にはそれらを組み合わせたり、また時
には自分たちで秘密道具を作って提供したりしています。大事なのは、1と同様、バイアスなしにマーチャントの「こんなこと良いな・できならいいな」を叶えてあげるドラえもんのような存在になる、ということです。
さらに言えば、我々が提供すべき価値は、断片的かつ部分的な「ゴール(解)」ではなく、それらの課題を我々がいなくても見つけ出し考え抜けるような「プロセス(考え方)」だと思っています。つまり、専門性の高い作業や知識をブラックボックスにして既得権益を守り「我々がいないと業務が回らない状態」にするのではなく、なるべく多くの過程をマーチャントにインストールすることで、流動的に変化する課題に対し「対等な前提条件で議論・思考ができるような状態」を目指しています。その上で、何かあれば相談できるパートナーでありたいと考えています。
どのような業種・フェーズ・取り扱う商品数・ブランド・セレクトであれ売上が急に数倍になるような、魔法のような施策はほぼありません。ECグロースにおいては、マーチャントごとの個別課題を見つけ、コツコツと永続的に改善し続けられるかどうかが勝負だと考えています。そのためには、ある種の「役割分担」も重要だと考えます。例えば、近年の海外サッカー業界では、選手に専任で各選手の課題を都度言語化してフィードバックする、分析官のようなロールが見受けられます。ECサイトも同じで、プレイヤー(マーチャント)と分析官がそれぞれ存在し、マーチャントは可能な限りプレー(商品開発・顧客体験の向上)に集中すべきだと思います。 なぜなら、抜本的に売上を数倍にする策などほとんど無い、と前述しましたが、あるとすればそれは「マーチャント発想のアイディア」だからです。
売上向上のための施策を導き出すためのアプローチは大きく2つで、1つはブランドやショップが大切にする世界観・カルチャーから落とし込まれたトップダ
ウン的なアプローチ。2つ目は、各KPIや細かな数値の動向から導き出されたボトムアップ的アプローチです。後者から生まれるアイディアは、大体がコツコツとして細かな改善に通ずるものでコモディティな施策となります。一方で前者から生まれるアイディアは、数値と睨めっこをしてもなかなか浮かぶものではなかったり、またそれらを実行したとしても短期的に成果が計測できないものも多いです。定量的に語りやすい後者のアイディアばかりに重きが置かれることなく、定量化できないそのような施策・アイディアこそが、各マーチャントの大切なアイデンティティであり中長期的には強みになってゆく、と考えます。
従って我々は、我々が向き合うべき課題とマーチャントが向き合うべき課題をしっかりと切り分けることで、マーチャントが自らのブランド・プロダクト・顧客に対して専念できる時間を捻出し、さらにそこから生まれたアイディアを実現するためのサポートも行っていきたいと考えています。
We don't just work for a mere consultancy; we navigate our clients to ignite their creativity and shape their envisioned future. As an ally in the e-commerce field, we join forces with them to independently explore solutions and possibilities.
Launch
Phase
Growth
Phase
Maturity
Phase
Hutでは、ともに働く仲間を募集しています。
Hutは「事業の前に人がいる」という考え方をベースに、「やれる」よりも「やってみたい」を大切に、仕事にも自由とワクワクを求め、個人の才能開花の舞台となるような会社を目指しています。
会社名であるHutの意味は、文字通り「山小屋」。様々なバックグラウンドを持つ人が、高みを目指して立ち寄る場です。そしてこの山小屋は、一つの山ではなく幾つもの異なる山へとつながる中継地。それぞれが目指す「高み」は違っていて良いのです。ここで出会った仲間とお互いに激励し、刺激し、助け合いながら旅に出て、そして疲れたらまた帰ってくる、そんな場所でありたいと思い名付けました。
ECが民主化した結果、生産力がないメーカーの少数生産の商品であっても世界中の買い手に届けられる世界となりました。我々は、熱い想いを持つマーチャントを1つでも多く世に届け、マーチャントの世界を変えることで、その先の世界を少しずつ変えていきたいと思っています。それがたとえミクロな変化だとしても、やがて大きな世界の変化に繋がると信じ支援しています。そんな想いに少しでも共感してくれる仲間とともに働けることを、心から楽しみにしております。
CEO Profile
菊池 龍之介
Ryunosuke Kikuchi
横浜国立大学知能物理合学科卒業後、株式会社野村総合研究所(NRI)にProject Managerとして入社。その後、株式会社Freak Outにて事業企画室で新規事業の企画をしたのち、Project Managerとして0から立ち上げを行い、単月売上数億円レベルまでグロース。その後フリーランスとしてEC PlatformのPdM、ECコンサルティング、物流系SaaSのPdMを経て、株式会社Hutを設立。